テニスは気持ち良くやりたいジロギン(@akiramenaiuta)です。
プロテニスの試合を見ていると、相手にショットを決められた後に、ラケットを手でポンポンと叩いて、まるで拍手しているようなプレーヤーがいるのにお気づきでしょうか?
世界一になるために、腕がちぎれそうなほどラケットを振り、友達と遊ぶ時間すら削って練習してきたプロテニスプレーヤーたち。
彼らにとって、相手のショットを打ち返せないのは、まるで火山が噴火するかのような怒りを感じるはずです。
1回でも負ければ、そこでトーナメントは敗退。1ポイントだって落としたくないことでしょう。
怒りのあまりラケットを地面に叩きつけ、使い物にならないほど壊してしまうプレーヤーもいます。
一方で、相手に拍手を送るプレーヤーもいるのです。
なぜ相手からショットを決められた後に拍手をするのでしょうか?
今回はこのことを書いていきます。
スポーツマンシップに則っているため
テニスは、野球やサッカーと同じスポーツですね。
テニスをするときはスポーツマンシップに則り、正々堂々と戦います。
正々堂々戦うということは、相手を対戦相手として認め、良いプレーがあったら敵であっても賞賛を送るということでしょう。
これが、テニスの場合は拍手という形で表されることが多いのです。
さらに、テニスは「紳士のスポーツ」と呼ばれていて、他のスポーツ以上にマナーに厳しいです。
例えば、選手同士は相手を挑発したり、バカにしたりするのは絶対にダメです。
審判から警告を受け、ひどい場合は失格になってしまうでしょう(私たちが出場する一般の大会だとここまで厳しくないでしょうね。セルフジャッジですし)。
選手だけでなく、観客たちもマナーを守らなければなりません。
プレー中は声を出してはならず、それ以外の時もヤジを飛ばすのは禁じられています。
紳士のスポーツである以上、相手のナイスショットに対して怒りをぶちまけるべきではありません。
拍手をすることで、まさに紳士らしい態度でプレーすることが望ましいです。
拍手してるプレーヤーも実際ブチ切れそう
一見すると、相手のナイスショットに拍手しているプレーヤーは素晴らしい心の持ち主だと思えます。
ですが、これは私の想像ですが、拍手しているプレーヤーも、9割は心の中でブチ切れてると思います。特にプロは。
その1ポイントで試合の流れが変わってしまうかもしれません。その不安がある以上、相手のショットに対して素直に
「今のは素晴らしい!まるでスイスの高原にでも来たかのような、すがすがしい気持ちにしてくれるナイスショットの権化だ!」
なんて気持ちになれませんよね。
プロなんて生活がかかってますからね。スポンサー様からの厳しいプレッシャーもありますし。
不安や怒りがこみ上げてきて当然です。
相手のショットに拍手することで得られる効果
相手が素晴らしいナイスショットを打てば、観客の注目は相手に集まります。
すると、自分は相手より実力が足りないのか・・・という不安がだんだんと怒りに変わってきます。
それでも、絶対に拍手をしたほうがいいです!
間違ってもラケットを投げて壊すような真似はしてはいけません(1本3万円くらいしますし)。
でも我慢しただけあって、拍手することによる効果は、あなたを優位に導いてくれるでしょう!
劣等感をなくす
相手のナイスショットに対して拍手をするのは、「今のショットは返せない素晴らしいショットだった」と認めることです。
でも決して負けを認めているわけではありません。
「いやぁ、旦那!さっきのショットさすがでヤンス!
あっしじゃ返せんでありますよ〜!まだまだ修行不足っす!」
みたいな意味で拍手しているわけではありません。
「ほう、なかなかやるじゃあないか!君でもそんなショット打てるとは、恐れ入ったよ!」
と、まるで『テニスの王子様』の皇帝・真田弦一郎(さなだげんいちろう)のようなスタンスで拍手します。
相手が格上でも格下でも関係なく、このスタンスでいましょう。
こうすることで、相手にナイスショットを決められたときに感じる
「勝てないんじゃないか?相手の方が強いんじゃないか?」
という劣等感をなくすことができるでしょう。
少しでも弱気になったら、相手に試合の流れを持って行かれてしまいます。
それを阻止するためにも「皇帝拍手」をしましょう。
拍手してもらった相手も、悪い気持ちはしません。
見ている人も「スポーツマンシップを守る最高のプレーヤーだ」とあなたを高く評価するでしょう。
でもあなた自身は、心の中で皇帝になった気分で拍手をすればいいのです。
WinWinWinの関係ができあがりますね。
怒りの感情をコントロールする
相手にナイスショットを決められた時に湧いてくる怒りの原因は、
「今のショットはこうしていれば返せてたのに!」
というような、「後悔」が大きいと思います。
でも、決められてしまったポイントを取り消すことはできません。
割り切らなければなりません。
「あ〜、あれはナイスショットだったな。どうやっても返せてなかったわ〜。
かっこよかったぜぇ、あんた。」
と拍手をすることで、自分はどうやっても返せてなかったと割り切るようにしましょう。
すると、取られてしまったポイントに執着しすぎず、次のポイントに頭を切り替えることができます。
怒りを抑え、感情をコントロールするために拍手は大切です。
「怒るな怒るな!頑張れあたし!」と思うだけでは効果は薄いです。
自分の体で相手に賞賛を送ることで、心も体も切り替えられるようにしましょう!
相手に感情を読み取らせない
ラケットを地面に叩きつける選手。これは誰が見ても
「すごいブチ切れてるね〜」
とわかります。
ブチ切れる演技でラケットまでぶっ壊してたら、アカデミー賞もらえます。まず間違いなくキレてるでしょう。
ラケットを投げるだけでなく、大声をあげたり、見るからに顔をゆがめたりするのも、相手に「ボクは今、盛大に怒ってます」と伝えているようなものです。
怒りに任せてプレーした選手は、だいたい自滅します。
プレーが雑になって、普段通りのショットが打てなくなってしまうのです。
それがわかった相手は、自分から攻撃しなくても勝ち濃厚です。
弱いボールでもいいので、つないでつないで、自滅させればいいだけです。
こんな楽な試合はないですね。
拍手をするのは、相手に怒りを伝えないという大きな効果があります。
普通、拍手するのは感情としてはおかしいんですよ。勝敗を競ってるなら、相手のナイスショットに悔しがるものですし、怒るものです。
拍手するのはある意味「サイコパス」っぽさもありますよね。「やられたのにちょっと喜んでんのか?」みたいな。
でもそれが強いんです。
拍手されちゃうと、相手は本当に喜んでるのか、怒りではらわたが煮えくり返りそうなのかわからないんです。
こうなると相手は、ナイスショットを決めても油断はできず、次のポイントからも全力でプレーしなければなりません。
小さいですがプレッシャーがかかります。
相手に怒りの感情を読み取らせない。これはテニスにおいてとても大切です。
その目隠しのような役割をしてくれるのが拍手というわけですね。
相手の努力を認める
ナイスショットというのは、頑張って練習してきた人にしか打てません。
その日初めてテニスラケットを握った人が、いきなり試合で相手からエースを奪うナイスショットを打つことはまずできないでしょう。
拍手をしてあげるというのは、これまで頑張ってきた好敵手(ライバル)をの努力を認めてあげること。
敵への惜しみなき賞賛なのです。
まぁ無理に拍手する必要もないのですが、自分も相手もいい気持ちでプレーできます。
プレー中に直接言葉は交わさなくても、こうして礼儀正しくプレーしていると、相手はいい人なんだと伝わってきます。
その試合以降も関係が続いて、練習しあうテニス友達になれるかもしれませんね!
(実のところ、拍手してても相手にブチ切れそうになってたかもしれませんが)
全部のショットに拍手する必要はない
相手に決められたショットや、自分がミスしてしまったショットに対して、全部に拍手する必要はないですよ!
すごく良い人っぽさは出ますが、それは本当に何考えてるかわからない怖い選手になっちゃいますからね。
良い人すぎて怖いって感情は、おかしいかもしれません。
でも、相手にショットを決められたら悔しがったりするのが普通なのだと考えて良いです。
拍手するのは、相手にナイスショットを決められて、自分の感情が揺らいでしまいそうなった時だけでいいです。
それだけで精神的に安定しますし、相手に試合の流れを渡さない効果を発揮してくれます。
相手のプレーを素直に認められるプレーヤーと打ちたい
これは個人的な意見になってしまいます。
私は、相手の良かったプレーを素直に認められるプレーヤーと打ちたいなと感じます。
試合は試合ですから、勝ち負けに執着するのは当然だと思います。
でも、相手を挑発したり、ポイントを取られて激しく激怒したりするプレーヤーはちょっと・・・
相手が嫌な気分になっているのを見ると、自分まで嫌な気分になってしまいますから。
まぁ試合中は「しめしめ、怒りに飲み込まれてるな。これはチャンスだ!」って思いますけど。できれば気持ちよく終わりたいものです。
社会人のプレーヤーでそこまでブチ切れMAXになる人はなかなかいないと思いますけどね。
でも学生プレーヤー、特にソフトテニスの方はもう煽りまくりの世界ですので、ちょっと注意したほうがいいです。
私は中学時代にソフトテニスもやってたのでわかります。
硬式テニスだったら一発退場みたいな応援しますからね〜。
相手がミスったら「もう1本!」って言ったり・・・
相手をディスる応援歌を作ったり・・・
できればこういうのは学生までにとどめておきたいところです。
でも。こういうヤジや罵声が当たり前の中で、淡々とプレーして、相手に拍手まで送ってる学生プレーヤーがいたら・・・
かぁぁっこいい〜!超モテるでしょうね!(男の子も女の子も)
素直に拍手する人は上達する
相手にナイスショットを決められた時、怒りに支配されてしまう人と、冷静に感情を抑えて拍手を送れる人、どっちが上達するでしょう?
まず間違いなく冷静に拍手をする人でしょうね。
相手に決められた時に冷静になれれば、なぜいいショットを打たれ、なぜ打ち返せなかったのか考えることができます。
次は同じミスをしないように、対策を練れば、それがテニスの技術上達につながりますよね。
怒りに試合されてしまうと、冷静さを失ってしまいミスの原因を探れません。
「なんで打ち返せなかったんだよぉぉおぉおぉぉ!」
と考えていても、それは対策を考えているわけではなく、混乱しているだけです。
相手にナイスショットを打たれたということは、そこが自分の弱点、あるいはスキがある部分ということですね。
それを理解して自分の感情をコントロールし、弱点克服につなげられる人は上達も早いでしょう。
まとめ:相手のナイスショットに拍手する効果
では最後にまとめます。
相手のナイスショットによって得られる効果はこのようなものがあります
拍手の効果
・劣等感をなくす
・怒りの感情をコントロールする
・相手に感情を読み取らせない
・相手の努力を認める
テニスはメンタル面がとても重要なスポーツです。
一瞬の感情の変化が、試合の流れを大きく変えることもあります。
常に平常心を保つようにしましょう。それに役立つ行動の一つとして、「拍手」があります。
ぜひやってみてください。
もし、試合中に感情のコントロールができないと感じている人は、この本を読んでみてください。
「超一流のメンタル マイケル・チャンのテニス塾」
錦織選手のコーチ、マイケル・チャンさん流のメンタルトレーニングの本です。
試合に最適なメンタルを保つヒントがつかめるでしょう。
▼詳細はこちらから▼