都大会の準々決勝で青学と対戦した聖ルドルフ学院。
聖ルドルフの選手兼マネージャーの「観月はじめ」は、事前に青学選手たちのデータを収集、対策を積んで試合に挑んでいました。
シングルス3で出場した越前リョーマは、同じ青学の先輩である不二周助の弟・不二裕太と対戦。裕太の得意とするライジングショットと必殺のツイストスピンショットに苦しめられました。
この裕太のツイストスピンショットですが、非常に無理な体勢で打つショットで、成長途中の中学生には体に負担がかかりすぎ、肩を壊す恐れのある危険性がありました。
それを知っていながら、観月は裕太にツイストスピンショットを教えていたのです。
・・・ちょっと待てよ・・・?
ツイストスピンショットを教えた観月の体の負担は大丈夫なの?
観月と裕太は1歳しか変わらず、観月もまた成長期にある中学生です。ツイストスピンショットを観月も使えるのだとしたら、観月もまた肩を壊す可能性があるはず・・・
今回はこの点を考察していこうと思います。
観月はじめとは?
プロフィール
出典:テニスの王子様9巻34P/許斐剛
聖ルドルフ学院中学テニス部の3年生です。前髪を指で弄りながら「んふっ」と笑う姿が特徴的でした。
聖ルドルフが部活の強化選手として地方から集めた「補強組」と呼ばれる部員で、部活の練習には週2回程度しか顔を出さず、普段はテニススクールでレッスンを受けています。
観月は聖ルドルフのマネージャーであり、自身も選手として試合に出場しています。ライバル校の選手たちのデータを洗い出し、弱点を突くテニスを得意としています。
例えば、動体視力の良い菊丸に、バックハンドショットにブレが生じる赤澤を当てることで、ボールを目で追わせて体力を奪う作戦に出るなど、データは非常に細かく集められているようです。
自分が取ったデータは絶対に正しいという自信があるようですが、青学の不二のデータは全くもって正確に取れておらず惨敗。その後も全国区プレーヤーの氷帝学園部長・跡部にも全く歯が立たなかったようです。慢心しやすい一面もあります。
身長:166cm
体重:52kg
利き腕:右
誕生日:5月27日
星座:双子座
血液型:B型
プレースタイル:オールラウンダー
委員会:寮生管理委員
シューズ:prince(クイックトラックTi(ネイビー))
ラケット:YONEX(MUSCLE POWER7)
趣味:紅茶の茶葉選び
得意科目:国語、英語、フランス語、スペイン語
苦手科目:書道(手が汚れるので)
好きな食べ物:ビシソワーズ、冷製カッペリーニキャビア乗せ
出身小学校:山形県立蔵王北小学校
苦手なもの(こと):汚れているもの、ほこりや花粉(アレルギー)
テニス以外の特技:歌(オペラ)
購入したパソコンの数:6台
プレースタイル
出典:テニスの王子様9巻109P/許斐剛
試合前に相手選手のデータを事細かに収集。そのデータをもとに対策を練ったり、練習を積んだりすることで、観月が組み立てた「シナリオ」通りに試合を展開させていきます。青学の乾のように「データテニス」を得意とする選手の一人でした。
データは観月自身だけでなく、聖ルドルフの部員たちにも共有され、部員たちも観月のデータに対しては厚い信頼を寄せている様子。
現に青学に負けるまでは、観月が試合前に想定した結果が外れることはなく、各試合のゲームカウントまで正確に当たってしまうほどでした。
作中では必殺技は明らかになっていません。唯一試合が描かれたシーンでは不二に逆転負け(本当は不二が最初から全力で戦えば観月はまったく手も足も出なかったのですが、不二が観月を調子に乗せてから倒そうとしていたため、序盤はあえて手を抜いていた)しました。
ただ、観月自身が全くもって実力のない選手ではなく、不二の弟・裕太が敵わないくらいには強かった様子です。
ツイストスピンショットとは?
出典:テニスの王子様9巻60P/許斐剛
観月が不二裕太に教えた必殺ショットです。リョーマの得意とする「ツイストサーブ」の効果を持ったショットです。ボールがバウンド直後、垂直に大きく跳ね上がります。
ショットの原理などは作中で明らかになりませんでした。実際に打つことができるショットかというと・・・難しいですね。
ツイストスピンショットは裕太が「左殺し」(左利きプレーヤーを数多く倒してきたために付けられた異名)と呼ばれる所以ともなり、左利きであるリョーマを苦しめました。
しかし、このショットは打つ時の体勢が特殊であり、体に負荷のかかりすぎるショットです。実際に技を受けたリョーマや竜崎先生はツイストスピンショットが危険であること(肩を壊す可能性)を見抜き、打つことをやめるよう裕太本人や、マネージャーの観月に示唆しました(その後リョーマは「無我の境地」状態になった時、ツイストスピンショットを使ってましたけどね)。
観月はツイストスピンショットが成長期の体には負荷がかかり過ぎることを知った上で裕太に教えていたようです。それを知った兄の周助に報復されてしまいました。
出典:テニスの王子様9巻98P/許斐剛
(知ったこっちゃないって言ってますが、知っていました)
観月もツイストスピンショットを使える?
裕太は観月からツイストスピンショットを教わったと言っていました。この発言から考えると、練習中か何かに観月から直接教わったと考えるのが自然ですよね。
しかし、観月もまだ中学生で成長期にあるはず。もしかしたらすでに成長は止まっていたかもしれませんが、体はまだ完全に出来上がっていない状態であったことは間違いないです。
観月自身もツイストスピンショットを使えるのだとしたら、体に負担がかかっていたはずです。本人もそれをわかっていた様子なので、わざわざそんな技を自分で体得するとは思えないんですよね。
聖ルドルフの部員たちに試合をやらせて自分は他校の調査をする観月の性格を考えても、自分がリスクを負ったり手を汚すような真似はしたくないのではないかと思います。
不二との試合や跡部との試合がほとんど描かれなかったので観月の技はわかりません。でも観月がツイストスピンショットを使えて、それを裕太に教えたというのは少し違和感があります。
観月はツイストスピンショットは使えない説
観月はツイストスピンショットは使えないというのが私の考えです。
裕太が言う「観月から教わった」というのは、観月が打ったツイストスピンショットを見せて教わったというよりは、「打ち方のノウハウだけ教わった」って意味合いではないかと思うのです。
例えば、ツイストスピンショットを打っている高校生や大学生、あるいはプロ選手の映像などを観月が分析。それをノウハウとしてまとめて、映像とともに裕太に見せて教えた。
これも「観月に教わった」という意味に該当しますよね。自分が使えない技でも、観月は分析タイプなので教えることはできると思います。
観月は分析していく中で「ツイストスピンショットを打ち続ければ肩を壊す可能性がある」ことに気がつきながらも、裕太に教えたんでしょうね。
これなら、観月が自分でツイストスピンショットのリスクを負わなくても、裕太に指導できます。
リスク承知で教えるべき技だったのか?
ツイストスピンショットの微妙な性能
正直、ツイストスピンショットってそんなに強くない・・・(笑)性能は微妙です。
裕太にリスクを負わせてまで教え込むべき技でもなかったと思うんですよね。
ライジングでツイストスピンショットの跳ね際を叩かれれば、バウンドしてからの変化を無効化されちゃいますし、バウンドする前にボレーされちゃえば、完全に意味をなさなくなってしまいます。
リョーマも数球受けただけでツイストスピンショットを攻略してしまいました(リョーマの実力が高かったこともありますが)。
観月がツイストスピンショットのリスクを知らずに教えていたのであればまだわかります。ただ、観月もリスクを知っていて教えたわけですが、それでもツイストスピンショットを裕太に教えるメリットがほぼなさそうなんです。
左利きである裕太がツイストスピンショットを左利きの選手相手に放つと、回転の関係からやや相手の顔面に向かうようにして跳ねる事くらいでしょうかね。
出典:テニスの王子様9巻40P/許斐剛
リョーマのツイストサーブは、『サーブは必ずワンバウンドさせてから打たなければいけない』というテニスのルールがあるので、ほぼ確実に顔面に向かって跳ねます。
顔面に向かってくる打球は返しにくいのですが、ツイストスピンショットならボレーできちゃいますからね。バウンドさせなければそれほど脅威的な技ではないです。
裕太が潰れたら戦力大幅ダウン
観月の心境が疑問です。裕太を潰す気だったのでしょうか・・・
でも聖ルドルフは選手層がそこまで厚くないです。赤澤とダブルスを組んでいた金田や、シングルス1に入っていた野村などは明らかに「テニヌ」についていける実力ではありませんでした(野村は、実は真の実力者説がありましたが、観月が「シングルス1は捨て駒でいい」と言っていたので、やはり強くはなかったでしょう)。
裕太が潰れたら戦力大幅ダウンですし、別に観月は裕太をいじめていたわけでもなさそうでしたので、肩を壊す恐れのあるツイストスピンショットを教えた真意が不明です・・・
メタ的なことを言うと「不二を怒らせるため」
あまりこういうオチにしたくはないのですが、観月が裕太にツイストスピンショットを教え込んだのは兄の不二周助を怒らせる展開にするためなんですよね。
で、これまで選手たちをコマ扱いしたり、嫌がらせのような戦い方をしてきたりした観月に仕返しをし、読者たちも気分がスッキリするような演出になりました(この時の観月は完全に敵キャラにされててちょっと不憫でしたね)。
作中の設定でなんとかつじつまを合わせようと思ったのですが、メタ的な理由以外思いつかないですね・・・自分のチームメイトで、しかも有力な選手にリスクのある技を教え込む必要が見当たらないです。
漫画考察では疑問の答えを見つけるにあたり「こういう設定だから」、「こういう展開にすらため」という答えしか思いつかない時は、私にとって敗北です。
「漫画なんて全部そうじゃん!設定じゃん!考察する意味ないじゃん!」ってなりますからね。
「なぜ観月は裕太にツイストスピンショットを教えたのか?」という疑問に対しては、私は答えが見出せず、敗北してしまいました(何かいい理由が思いつく方はコメントいただけると幸いです)。
まとめ
一応今回の考察は『観月もツイストスピンショットを使えるのか?使えるのならば体の負担は大丈夫なのか?』という考察でしたので、答えとしては
観月はツイストスピンショットを使えず、打ち方のノウハウだけを裕太に教えていたので、体に負担はかかっていない
という答えに行き着きました。
どのみち部員の選手生命を絶ってしまいかねないことをしていた観月の行いは、やってはいけないことでしたね。
不二にコテンパンにされたことで観月も反省し、これからもテニスを続けていくのであればもうチームメイトに同じようなことはしない・・・はず・・・多分・・・
こんばんは、みゆきです。
初期の観月は非常に狡くて、
酷いキャラクターでしたよね。
それだけに、
後に不二周助が試合に負けたとき、
裕太に
「良い試合でしたね」
とコメントしていたことが印象的でした。
観月も成長したのだと思います(多分)。
ジロギン様の考察を読み、
あらためて
「酷いよ、初期の観月(泣)」
という気分になりました……。
コメントありがとうございます!
初期の観月は本当に合理的で、部員を仲間と思っていない部分があったことは間違いないですよね!あれではいくら青学と戦っても勝てなかったと思います。
きっと改心して、これからはスポーツマンとして、仲間を思いやってくれることでしょう・・・(多分)
でも観月もいいキャラしているので、ちょっと悪い部分があってもそこもいいのかもしれませんね笑
あえて理由をつけるなら裕太の才能がなさすぎて、他の有用な技を覚えられなかったのかもしれません。それで唯一出来たツイストスピンショットを覚えさせたがそれは負担がかかる技だったと。
ただ後に出てきた真田の雷や零式サーブ、手塚ファントムなんかに比べたら負担は少ないと思いますよ。観月もあくまで対強敵用の切り札として教えたのであって普段使いさせる予定ではなかったのかもしれませんし。ただそれでも弟大好きなお兄ちゃんの逆鱗に触れらには十分でしょうね。
コメントありがとうございます!
なるほど!裕太の限界値ってことも考えられますね!裕太はまだ2年でしたし、今の実力ではツイストスピンが限界だったと。
裕太は手塚対策で育てられてたっぽいので、手塚を倒すための切り札だったんでしょうね。基本はライジングだけで戦える可能性は高そうです。