テニスのカウンターパンチャーの特徴や強みを解説!鉄壁の守備で相手を崩す!

テニスのコツ

 

みなさんこんにちは!ジロギンです。

 

テニスのプレースタイルのひとつに

カウンターパンチャー

と呼ばれるスタイルがあります。私も学生時代のプレースタイルはカウンターパンチャーに属していました。懐かしい思い出があります。

 

この記事ではテニスのカウンターパンチャーについて、特徴や戦い方などを中心に解説していきます。

カウンターパンチャーになりたい方、カウンターパンチャーの相手に勝ちたい方の参考になれば幸いです。

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カウンターパンチャーとは?

特徴

防御主体のプレーをするプレーヤーのことを「カウンターパンチャー」と呼びます。ベースライン付近でストロークをつなぎながら、相手のミスを誘ったり、厳しいコースを攻めて相手の体勢を崩していくようなスタイルを得意とする人が該当します。

 

力強くスピードのあるボールではなく、あえて威力を落として、ストロークの正確性やコースを狙うことを重視してプレーしていきます。とにかくボールを拾いまくり、つなぎまくり、相手に「打ち抜けぬ鉄壁」と思わせる防御力を見せつけることこそがカウンターパンチャーの完成形とも言えるでしょう。

 

高く上がり、ネット際の相手の頭の上を抜いたり、相手が打ち返すまでの時間を稼いだりするロブや、ネット際に出てきた相手の真横を抜くパッシングショットを得意とするプレーヤーもカウンターパンチャーには多いです。

 

ショットの威力ではなく安定感や確実性を優先するので、相手からからすると強打しやすいボールが多いです。ただ、強打しようとするとミスをするリスクも上がります。勢い余ってアウトしたり、ネットギリギリを狙おうとして、ネットに引っかかったりしやすいです。

相手にリスクを負わせることが、カウンターパンチャーにとっての主な攻撃手段となります。

 

初心者〜中級者に多く、勝率も高いスタイル

プレースタイルとしてカウンターパンチャーになりやすいのは初心者〜中級者です。失敗しやすい強打や、相手に隙を突かれやすいボレーはせずに、基本的なストロークをミスらず続けることが最大の武器になります。

 

まだ応用的な技術ができないうちは、ストロークをミスせす続けることが一番勝率も高いです。テニスは「相手コートに1球多く返した方の勝ち」なスポーツです。つまり理論上「自分が絶対にミスらなければ負けることはない」のです。

自分から攻撃せずに守りを固めるプレースタイルは消極的に思えますが、テニスの最も根本的な、理にかなった戦術です。

 

攻撃は最大の防御!これを体現するのがカウンターパンチャーなのです!

 

思い出すなぁ・・・私が高校1年の時のこと。1年生だけで部内戦を行ったんですね。

当時からパワーのある子はストロークもパワフルで、バンバン打ってました。でもその時1位になったのは、同級生の中で一番小柄で、ショットの威力も強くなかったけれど、一番ミスが少なかった子だったんです。

 

その子はバンバン打ってくる相手のボールをつなぎまくることで、ミスを重ねさせていました。1年生でまだ技術のない時だったこともあり、ミスをしないプレーこそが一番強かったんです。(結局その子は引退まで部内で1〜2を争うくらい強かったですけどね。基本的なスタイルはずっとカウンターパンチャーで変わりませんでした)。

 

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カウンターパンチャーの戦い方

ここからはカウンターパンチャーの戦い方について紹介していきます。

多くが基本的なことになりますので、「すでにやっているよ!その程度のことは!」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、改めてご一読いただけると参考になる部分もあると思います。

 

もし、これからカウンターパンチャーを目指すのであればぜひ読んでください!

相手のミスを誘う

相手にミスをさせることがカウンターパンチャーの狙いです。とにかくラリーをつなげることで、相手は次第にフォームが崩れていき、自分から自滅していきます。

 

コースを打ち分ける

ただラリーを続けていても、相手もそれなりテニスの技量があると、なかなかミスってくれないでしょう。大会でも勝ち上がるほどに相手もミスをしてくれなくなります。

 

その時は、ボールをコントロールしてコースを打ち分けることでミスを誘いましょう。相手を走らせると体勢が崩れるので、ただ続けるよりもミスる確率を上げることができます。

早いボールでなくていいです。遅い打球でもいいので、できる限り相手を走らせるコースを狙いましょう。

基本的な攻撃はやはり、ストロークを左右に打ち分けるということでしょう。右に打ったら、今後は左、また右・・・というように打ち分けると相手を走らせることができます。

 

左右への単調な攻撃に相手が慣れてきたら、あえて「右右」と同じコースを2度突くのも有効になります。

 

それから相手の苦手コース、基本的にはバックハンドになると思いますが、そこを徹底的に狙うのも有効です。

あなた自身も経験があるかもしれませんが、苦手コースに打たれると、スピードのないボールでもミスしやすいですよね?

相手の苦手コースが試合の中で見えてきたら、そこを狙ってみましょう。やはりボールのコントロール力が必要となります。

 

自分からミスらない

ラリーが続けば体勢が崩れたり、スタミナがなくなったりしてミスしやすくなるのは自分も同じです。相手より先にミスをしてしまったのでは点数を失う一方です。

 

「絶対に自分からミスらない」という自信と覚悟を持って挑みましょう。できるだけ毎回同じフォームでスイングができるよう、練習ではストローク練習や素振りは欠かせないですね。

 

相手のショットを利用したカウンターショット

カウンターパンチャーは守りのスタイルと説明してきましたが、何も全く攻撃に転じられないわけでもありません。相手のショットの威力を利用したカウンターショットで攻撃ができます。

 

現代のラケットはかなり高性能で、ボールにラケット面を合わせて当てるだけでも相手のショットの威力が強ければ、弾き返すように速いショットを打つことができます。あまり大振りにならないよう、当てるだけで意外と十分なのです。

これが基本的なカウンターショットの打ち方です。

 

強打した後の相手は、体勢が前のめりになっていたり、ポジショニングがコートの端っこになっていたりするので、返って来たショットに対応しにくくなっています。

そのため、面を合わせて当てるだけのカウンターショットでも十分な攻撃手段となって相手コートにズバッと刺さるのです。

 

有名なカウンターショットに「ライジングショット」というものもあります。相手のショットがバウンドした直後に打つイメージで、通常より速いタイミングでショットします。

 

バウンド直後の、相手ショットの威力が強い時に打ち返すので、その威力を利用して打ち返すことができます。

 

速いラリーと相手のパワーを利用したカウンターができるライジングショットは、初心者プレーヤーからプロでも使う人のいる効果的なショットです。

 

相手がカウンターパンチャーだった時の戦い方

今度は相手がカウンターパンチャーだった時の戦い方を考えていこうと思います。「私ならこうするだろうな」と考えた戦略です。

 

相手の想定としては、「ベースラインでボールをつなぎまくって、全然ミスをしない」タイプのカウンターパンチャーです。

 

無理やり強打しない

長く続くラリーにしびれを切らして、自分から強打していった結果ミスをするのでは相手の思う壺ですね。こういう時は無理やり強打せず、相手に合わせてラリーをするのも手です。

 

相手も人間ですので、ラリーが続けばミスる可能性が高くなります。自分からリスクを負うようなことはせず、相手に任せて安定したラリーを心がけるといいですね。

そのうち相手の方がしびれを切らして攻撃してくるかもしれません。カウンターパンチャーには、カウンターパンチャーをぶつけるのも有効でしょう。

 

ネット際に誘導する

ベースラインに張り付いているカウンターパンチャーは、自分の得意な位置でラリーができていることになります。そのままベースラインに留まらせたのでは、相手が有利なままです。

 

ベースラインから引き剥がすために、ショットをあえて浅くしたり、ドロップショット(相手のショットの威力を殺して短く手前に落とすショット)などでネット際におびき出すのも一つの方法です。

 

カウンターパンチャーのようなベースラインプレーヤーは、ショットは得意ですが、ボレーはあまり自信がないプレーヤーも多いです。ですので、ネット前に誘導してボレーの体勢に入らせれば、ミスしてくれる可能性も高まります。

 

ただ、ネットプレーは相手にとっても攻撃につながる有利な状況ではあるので、もしボレーされるのが不安なら、相手の頭の上をロブで抜いたり、取れない角度でパッシングショット(相手の横を抜くショット)で、決めてしまうのもいいでしょう。

 

左右に振って体力を削る

カウンターパンチャーの狙いも、相手の体力を削ってくることにありますが、ラリーをしている以上は自分も相手も同じ状況です。体力を切れさせれば勝つ確率も上がります。

 

ならば、相手より早く自分からショットを左右に打ち分けて、揺さぶるのも有効ですね。長いラリーを覚悟しなければなりませんが、長引けば長引くほどより動いている方の体力は削れていくので、そのラリーで勝てなくてもゲームの後半で温存していた体力の差が出てきます。

 

ダブルスでのカウンターパンチャーの活かし方

ここまではシングルスを想定してカウンターパンチャーの戦い方を考えてきましたが、ダブルスでもカウンターパンチャーの「ストロークでのミスが少ない」という特徴を生かすことができます。

解説していきます。

 

ミスをしない後衛ポジション

ダブルスの陣形に「雁行陣(がんこうじん)」というものがあります。図のようなポジションを取ります。

ダブルスの基本陣形の一つです。ネット付近に1人、ベースラインに1人がポジショニングし、攻撃と防御に分かれます。

 

ネット付近にいる人(前衛)は積極的にボレーで攻撃をし、ベースラインにいる人(後衛)はボールをつなぎながら相手ペアの陣形を崩し、前衛が決めやすいボールを導き出します。

 

カウンターパンチャーはダブルスの場合、後衛が向いています。ストロークのミスをしないプレーヤーが後衛だと、前衛も安心してネットプレーができます。もし前衛の攻撃タイミングがなくても、後衛がミスをしなければ、再度チャンスを導き出すこともできます。

 

ロブで相手の陣形を崩す

カウンターパンチャーにはロブを得意とする人も多いです。ロブはダブルスではかなり有効な攻撃手段になります。

相手前衛の頭の上をロブで抜くと、後衛がカバーに入らなければなりません。すると、前衛も逆コートに動く必要があり、相手の陣形が乱れます。

こうなると、相手は動くことでミスをしやすくなりますし、陣形にも打ち込める隙ができやすいので、味方前衛がボレーなどで決めやすくなります。

 

初心者同士ならミスが少ない方が勝つ

やっぱりミスが少ない方が勝つのはシングルでもダブルスでも同じです。特に初心者同士の試合ならば尚更です。

 

前衛が決めきれなくても、後衛がラリーでミスをしなければある程度勝つことはできます。「勝利の最低基準」としてミスの少ないカウンターパンチャーが後衛を務めると有利になります。

 

課題はボレーにある

先ほども説明した通り、カウンターパンチャーなどのベースラインプレーヤーはボレーを苦手とする人も多いです。

 

ダブルスでは味方がサーブをするとき、基本的に自分はネット前に詰めます。レシーブのときも同様で、味方がレシーブのときは自分はネット付近で待ちか構えます。

ダブルスだと、ボレーが苦手だとしても前衛をする順番が回ってきてしまうのです。

 

ボレーができるのであれば、ネットプレーは有効な攻撃手段になるのでそのまま前衛をしてしまっていいです。

もしボレーが苦手ならば、味方ペアと同じく自分もベースラインに下がる「後衛平行陣」という陣形を作ってもいいでしょう。必ず前衛をしなければならないわけではないので、ルール上何も問題ないです。

ペアがボレーを得意とするのであれば、前衛をやってもらった方が勝率は上がりますからね。ここら辺はペアで相談するといいでしょう。

 

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『テニスの王子様』のカウンターパンチャーたち

ここまでは私の文章による説明と、拙い図での説明になってしまい、イメージしにくい部分があったかもしれません。

 

そこで、私の大好きな人気テニス漫画『テニスの王子様』に登場するカウンターパンチャーたちを紹介します。彼らのプレースタイルならばイメージしやすくなるでしょう。

 

あくまで漫画の中の登場人物ですから、彼らが参考になるかというと全然なりませんが、イメージだけしてもらえればいいと思います。

出典:テニスの王子様6巻70P/許斐剛

 

相手の体力を削る「海堂薫」

青学の2年生「海堂薫」は典型的なカウンターパンチャーです。得意技の「スネイク」(正式名称はバギーホイップショット。相手がコーナーに打ってきたボールに対して回転をかけて逆サイドに角度をつけて返球する)を使い、相手を左右に走らせます。

 

走り回って体力がなくなった相手は、次第にミスを連発してしまうという戦術を海堂は使います。体力を削ってミスをさせる戦い方は、ここまで説明してきたカウンターパンチャーと同じですよね。

 

相手のボールの威力を利用する「不二周助」

同じく青学の天才プレーヤー「不二周助」もカウンターパンチャーです。

不二は「カウンター」という言葉の通り、相手のボールの威力を利用した技「三種の返し球(トリプルカウンター)」を使います(技の数は3つからだんだん増えていきました)。

 

不二の技は現実離れしたものが多く、相手のトップスピンにスライス回転をかけてバウンドをさせない「燕返し(鳳凰返し)」や、相手のスマッシュを後ろ向きで打ち返し、相手が対応できないベースライン際に落とす「羆落とし(麒麟落とし)」などはやろうとしてもまず無理でしょうね。

 

ですが「相手のボールの力を使って、自分も攻撃に転じる」という点では、不二も現実のカウンターパンチャーと同じことをしています。

 

ミスの少ないダブルスの後衛「大石秀一郎」

青学No. 1ダブルス「ゴールデンペア」の一角を担っていた「大石秀一郎」もカウンターパンチャーです。

 

大石はボールのコントロールが非常に良く、ミスも少ないプレーヤーでした。大石がダブルスの後衛として安定したストロークをしてくれているからこそ、ペアの菊丸英二は伸び伸びとネットプレーができていました。

 

見た目に派手さはなかったものの、大石の安定したストロークは、カウンターパンチャーが目指すべきダブルスの後衛そのものです(ムーンボレーは難しすぎますけど)。

 

まとめ:ミスをしない強さもある

いろいろと説明してきましたが、カウンターパンチャーの強さのすべては「ミスをしないこと」にあると思います。ミスをしないだけでも自分の失点を大幅に減らせるので勝率は上がりますからね。

 

ただ、上級者相手だとミスをせずにひたすらラリーするだけでは勝てなくなってきます。強打してもコントロールが落ちない人や、ボレーを正確に叩き込んでくる人もいますからね。

 

上級者相手にカウンターパンチャーが勝つにはミスをしないことに加えて、左右に打ち分けたり、相手の苦手コースをついたり、相手のショットの威力を応用したカウンターで攻撃したりする必要もあるでしょう。

 

守りを重視するカウンターパンチャーだからといって試合に勝てないことはありません。ミスをしないことを基本に、さらに応用的な技術を積むことで十分勝てるスタイルになりますよ!

自信を持って今日も「鉄壁」を目指しましょう!

 

  1. ZENJI より:

    何となく、ボクシングのアウトボクサーを連想するな…。射程外からフットワークでペチペチと手数を稼いで判定で勝つ!みたいな…。インファイターよりも技術も運動量も必要で簡単な事じゃないんだけど、如何せん地味でハードパンチャーに比べ評価されにくいみたいな…。

    やっぱ僕はタカさん派だな(爆)すいません。テニス門外漢の外野の戯言です。技術と精神力を要する戦闘スタイルと言うのは、何となくわかります。

    • ジロギン ジロギン より:

      コメントありがとうございます!
      確かにボクシングでもカウンターパンチャーって表現を使いますよね!でも似ています!相手の隙を伺って一発決める感じです!
      タカさんが「アグレッシブベースライナー」というスタイルで、カウンターパンチャーとは反対に、バンバン打って攻撃しまくるスタイルです!また近いうちに書こうと思ってます!
      意外とテニスはこうやって「戦闘のスタイル」を差別化できて、漫画っぽい部分もあるんですよ笑