【テニスの王子様】氷帝が関東大会まで正レギュラーを起用しない理由を考察

テニスの王子様

 

今回は「テニスの王子様」に登場するキャラではなく、学校の考察をしたいと思います。

 

リョーマが在籍する青学のライバル校の一つだった氷帝学園。全国屈指の強豪校で、関東・全国大会で青学を苦しめました。

 

青学も氷帝も東京都内にある学校で、早ければ都大会時点で対決する可能性がありました。しかし作中では都大会での対決はなく、青学も氷帝も都大会を勝ち上がり、関東大会1回戦で戦うこととなりました。

 

青学は都大会を優勝しましたが、氷帝は敗者復活戦を勝ち上がり、ギリギリでの関東大会出場でした。理由としては、氷帝は関東大会まで正レギュラーを温存し、ダブルスなどは準レギュラーに戦わせており、準々決勝不動峰中に敗北してしまったためでした。

 

氷帝は関東大会まで正レギュラーを温存するのが通例のようですが、氷帝といえどもレギュラーを温存して勝てるほど都大会は甘くないと思うんですよね。

なぜ氷帝は強豪揃う都大会で舐めプしているのか、考察してみました!

 

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氷帝学園とは?

出典:テニスの王子様14巻94P/許斐剛

全国区プレーヤーの部長・跡部景吾が率いるテニスの強豪校です。全国大会2連覇中だった立海大付属中の真田弦一郎も氷帝のことを警戒していました。

 

部員数は200名にも登り、その中で正レギュラーに選ばれた7人は、厳しい競争を勝ち抜いた実力の高いエリートプレーヤーたちです。

 

さらに氷帝の制度は異常なまでに厳しく、対外試合、部内試合にかかわらず1度でも敗北した選手は二度と試合には起用されません。これは監督である榊太郎の方針のようですが、この制度があるからこそ氷帝の正レギュラーは常に最強の集団になれています。

 

ただ例外もあり、都大会で不動峰の橘に負けた宍戸は、当時氷帝の正レギュラーだった滝を部内戦で破り、さらに榊に頼み込むことで正レギュラーに復帰しました(鳳と跡部の支えもありましたが)。

 

榊も冷徹なまでに敗北した選手を正レギュラーに起用しないわけではなく、その熱意や覚悟を汲み取って選出する場合もあるようです(しかし、宍戸はもともとシングルスプレーヤーでしたが、正レギュラー復帰後はダブルスでしか起用されませんでした。そのダブルスが氷帝最強のダブルスになりましたけどね)。

 

氷帝は都大会までは正レギュラーをできる限り試合には出さず、準レギュラーを起用します。全試合正レギュラーに切り替えるのは関東大会からです。

氷帝は都大会の第1シード(優勝候補)で、強豪校であるのは間違いないのですが、正レギュラーを出場させずに勝ち上がれるほど他の都大会出場校って弱くないんですよね。

 

都大会に出場していた氷帝の正レギュラー

シングルス3人は正レギュラーで固める

団体戦はダブルス2試合、シングルス3試合のうち、計3試合勝てれば次の試合へと勝ち上がることができます。最初はダブルスから試合をして、後半はシングルスを行います。初戦以外はどちらかが3勝した時点で試合終了となります。

 

早く試合を決めるためにはダブルスで2勝、シングルスで1勝すれば良く、他の選手の体力温存ができます。都大会の氷帝はダブルスを準レギュラーに任せ、シングルスは正レギュラーが出場するという形で団体戦に出場していました。

 

ダブルスで負けてもシングルスで3勝できれば問題ないという考えですね。シングルスの選手にかなり自信があるというか、もはや舐めプしているとさえ思えます。

 

敗者復活戦でも舐めプ

作中の都大会シングルスには宍戸、樺地、跡部が入っていました。確かにこの3人は都大会の基準で見るとかなり強い選手たちです。

 

跡部は全国屈指のプレーヤーで、都大会出場者で勝てる可能性があったのは青学の手塚くらいでしょう。

 

樺地も相手の技を吸収するプレースタイルに加え、力のないプレーヤーでは打ち合っただけで怪我をしてしまうほどのパワーを持っていました。

 

宍戸はカウンターライジング(ボールの跳ねた瞬間を叩き、相手のショットの威力を利用して返すショット)による素早いラリーで相手を圧倒していました。

 

特に当時の宍戸は完全に相手を舐め腐っており、その隙を不動峰の橘につかれ、惨敗しました(橘も全国区プレーヤーで、氷帝だと跡部でなければ勝てない強さ)。

 

シングルスを正レギュラーで固めていたものの、敗北する可能性は大いにあったのです。その反省を踏まえ、跡部は敗者復活戦では宍戸の代わりに芥川慈郎(ジロー)を出場させました。

 

結果的に敗者復活戦を勝ち上がり、関東大会に出場できるようになったものの、どうやらこの時もダブルスはみんな準レギュラーだったみたいです。

 

出典:テニスの王子様17巻61P/許斐剛

少し見えにくいですが、左から2列目が氷帝です。前から跡部、樺地、ジローですが後ろの4人は正れギュラーの忍足や向日などではなさそうです。準レギュラーでしょう。

 

敗北しましたが、それでも舐めプの姿勢は崩さないのが氷帝です。正レギュラー温存以外にも何か理由がありそうですね。

 

都大会の強豪校

不動峰はダークホースとして例年とは比較にならない強さでした。これは氷帝(会場に監督の榊がいなかったので、出場選手を決めていたのはおそらく跡部)も想定外の敵だったでしょう。

出典:テニスの王子様14巻61P/許斐剛

不動峰は事前に実力を知っておくのが無理だったとしても、前評判や前年の実績からすでに強豪だとわかる学校は他にもあったんですよね。

 

全国クラスのプレーヤー多数の青学

やはり青学は都大会でも強豪です。特に作中の年はリョーマが入ってきたことでさらに総合力が上がりましたが、リョーマが試合に出ていなくても青学は強いです。

 

まずは手塚ですね。全国区プレーヤーで、氷帝なら跡部でなければ勝てません(しかも跡部ですらギリギリ勝てるほどの接戦になりますし、負ける可能性も非常に高い)。当時腕を怪我していた手塚ですが、それでも全国区と言われるレベルでしたので、本気出したらむちゃくちゃ強いんですよね。

 

さらに青学ナンバー2の不二周助も都大会では屈指の強さです。実際に不二は関東大会でジローに圧勝。氷帝のシングルス選手で勝てるのは跡部か樺地くらいだったでしょう。

 

そしてダブルスでは大石・菊丸のゴールデンペアがいます。彼らは全国レベルのダブルスペアで、氷帝の準レギュラーではまず勝ち目はありません。

というか、氷帝最強のダブルスとなった宍戸・鳳ペア発足前にゴールデンペアに勝てるダブルスが氷帝にいなさそうです・・・忍足・向日ペアは負けるでしょうからね(全国大会だとペア解消されてましたし)。

 

他にも乾、海堂、桃城、河村といったシングル・ダブルス両方でき(当時はみんなダブルスが苦手でしたが)、関東大会でも通用しうる強さを持つ選手がたくさんいました。青学が都大会から全力できている時点で、氷帝に勝ち目はなかったですよね。

 

全国区ダブルスペアを2組要する山吹

青学以外の強豪校では山吹中も鬼門です。シングルスは亜久津が入部するまで千石一人で保っていたような感じでしたが、山吹はダブルスが非常に強いです。新渡米・喜多ペアはさらっと不二・河村ペアに勝ち、地味’s(南・東方ペア)は大石・菊丸ペアと接戦を繰り広げました。

 

氷帝が都大会で山吹と戦った場合、まずダブルス2敗は確実です。さらに、シングルスではジュニア選抜(手塚が参加せず、空いた枠に入った)の千石さんが控えてますからね。肩書きでいったら跡部と同じ千石さんに1敗したら氷帝の即負けです。かなり追い込まれた状況になるので、山吹中にも負ける可能性は大いにありました(宍戸と千石なら千石の方が強そうですし)。

 

全国区プレーヤー・赤澤さんを要する聖ルドルフは…

都大会ベスト8で青学と戦った聖ルドルフ学院。聖ルドルフの部長・赤澤は実は全国区プレーヤーなんですよね。都大会の強豪選手の一人で、やはり肩書きで言えば跡部と同じです。

 

しかし・・・聖ルドルフは敗者復活戦で氷帝に負けているのであまり脅威ではなさそうですね。赤澤さんさえ押さえておけば、準レギュラーを起用しても余裕そうです。

 

氷帝が負け前提でオーダーを組むとは思えない

準レギュラーを起用して正レギュラーを温存する氷帝。都大会で正レギュラーが怪我でもして以降の大会に出られなくなるような自体を避けるために温存しているのでしょう。

 

最悪、都大会はベスト4まで残れば関東大会に行けますし、敗者復活戦もあります。優勝しなくても問題ないといえばそうなのですが、氷帝が負けることを考慮して選手のオーダーを組んでくるとは思えないんですよね。

 

負けたら試合に使われない制度

先ほど説明した通り、氷帝の榊監督は試合で負けた選手を二度と使いません。それは正レギュラーでも例外ではなく、宍戸や滝はレギュラー落ちを経験しています。

 

こんな厳しい制度がある中で、氷帝が負けることを前提にオーダーを組むとは思えません。自分の首が締まる可能性がありますからね。

 

ただ、ちょっとこの制度の甘いところは、氷帝が団体として負けたとしても、個人で勝った選手や試合をしなかった選手は次回以降も試合に起用されるんですよね。樺地と跡部は都大会の不動峰戦で試合が回ってこなかったので、レギュラー落ちにはなりませんでした。

 

跡部のプライド

出典:テニスの王子様14巻62P/許斐剛

そもそも跡部のプライドが敗北を許さないと思います。跡部は個人としてもそうですが、氷帝の全体の勝利を何よりも望んでします。氷帝愛は誰よりも持っているんですよね(跡部は部員達200名の名前などを全て把握するほど部のことを思っています)。

 

何なら無敗で全国優勝を成し遂げたいとすら思っていることでしょう。やはりオーダーもできれば一番強いもので挑みたいと思っているはず。

 

しかも自分はしっかり都大会に出場してますからね。他の正レギュラーとはやはり覚悟が違うと思います。そんな跡部が準レギュラー起用を認めるほどの理由は一体何でしょうね。

 

準レギュラーにも試合に出るチャンスを与えるため

これだと思います。準レギュラーにも試合のチャンスを与えているのではないかと。

 

氷帝の勝利を考えるのであれば、都大会でも正レギュラーを使って全力で挑むべきだと思います。でも、「テニスの王子様」で行われている大会は「部活の大会」です。忘れがちですけどね。

 

もちろん勝つことも重要なのですが、部活として部を運営することはもっと大切です。部員のモチベーションにもつながりますからね。

 

部員200名を誇る氷帝、その中で試合に出場できるのが7名だけという狭き門。普通なら多くの部員が公式戦に出られないまま引退してしまうでしょうが、氷帝はあえて都大会まで準レギュラーを起用することで、試合に出るチャンスを与えているのでしょう。それが正レギュラーの温存にもつながりますからね。

 

部のことを考える跡部にとって、自分がやるべきことは部員たちが満足できる環境づくりにあると思います。試合に出る機会を多く設けることこそが良い部活動運営につながることを理解しているのでしょう。榊監督も一応先生ですから、跡部の考えに納得する部分はあると思います。

 

勝ちにこだわるだけでなく、部活としてあるべき姿を忘れない跡部。これは間違いなくカリスマ!部員達もついていきますわ・・・

 

まとめ

氷帝は都大会までただ舐めプしているのではなく、200人もの部員達のモチベーションを高めるための施策として、準レギュラーも積極的に試合に起用しているのではないか・・・と思います。

 

冷酷な一面が目立つ榊や跡部ですが、実は他のどの学校よりも部員達のことを考えているとしたら・・ちょっと感動しちゃいますよね。

 

これだけ厳しい制度をとっていながらも200名の部員を抱える氷帝。それだけの部員が在籍している理由は、実はどの部員にも試合に出れられるチャンスを設けているからではないでしょうか。